これまでは、仮に熱中症が疑われた際の処置・対応について説明をしましたが、当然望ましいのは、熱中症とならないことです。そのための予防法、特にスポーツ現場で出来る取り組みについて、「運動前・運動中・運動後・その他」の観点でご説明致します。
※前編記事『熱中症とは』はこちら
運動前
運動前の体重測定を行い、運動前のカラダの水分量を把握する
体重の2%以上の減少から脱水状態とされています。そして、運動前後の体重減少の殆どは発汗による水分減少のため、体重変化を把握することが重要です。
運動中
15分に250mmlの水分補給を目安にする
運動中は発汗に伴い、水分量が減少していきます。環境によって変化しますが、喉が乾いたと自覚している際は既に脱水状態と考えられているため、15分に250mmlの水分補給を目安にしましょう。
運動後
運動後の体重測定を行い、どれくらいの水分を失っているのか?を把握する
運動後に体重が2%以上減少している場合は脱水状態と考えられます。すぐに失った分よりやや多めの水分補給をすることが大切です。また日頃から自分自身の体調管理へと目を向けるような取り組みとして重要です。
その他
1.食事を十分に摂る
食事はエネルギー摂取するだけではなく、水分やナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル補給もしています。不足すると筋けいれんや意識障害に繋がることあるため、食事から栄養を十分に摂ることが重要です。また、午前練習時においては朝食を抜いての練習参加、または、食事量が極端に少ないなど注意が必要です。運動後も同様に十分に摂ることに注意しましょう。
2.WBGTを把握し、飲水タイムやクーリングブレイクを設ける
WBGTとは、「気温・湿度・輻射熱」の3つを取り入れた温度の指標をいい、28°を超えると熱中症になるリスクが高いとされています。日本サッカー協会では、年代に関わらず暑熱対策として、飲水タイムやクーリングブレイクを推奨しています。テント内などの日陰で少し休憩時間を設け、扇風機の風をカラダに当て、氷水の中で冷やしたアイスタオルなどをカラダに当て、十分な水分補給を行うと良いでしょう。
3.食事・睡眠といった日頃の体調管理に気をつける
食事については上記で触れましたが、睡眠も体調に大きく影響するため日頃から睡眠時間の確保に目を向けることも重要です。体調が優れない日には、運動参加させないことも予防の観点で非常に重要です。
4.暑さに徐々に慣れる
カラダが暑さに慣れることを暑熱馴化といい、日本スポーツ協会も「急な暑さに要注意」と暑熱馴化を推奨しています。暑熱馴化を行うことで、効果的な体温調節ができるようになり、運動をより長く続けられ、熱中症の危険性も少なくなります。
5.スポーツドリンクや経口補水液、緊急対応用の氷、救急病院を準備する
万が一の緊急事態に備えておきましょう。
(参考:スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック「Part4解説」)
熱中症の備えに
保冷温バッグ
品番:MHCB
500mlのペットボトルを15本収納できます。
メディカルバッグ
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中の仕切り板は取り外し可能。
氷嚢や瞬間冷却剤などもメディカル用品と一緒に整理・収納できます。
※前編記事『熱中症とは』はこちら